『悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています』は、はにぃ先生(サークル・藤堂蜜屋) による、異世界を舞台にしたTL漫画です。
主人公であるサーラが、王子毒殺の罪を被せられたことから物語は始まります。
- 王子に毒を盛った真犯人とは
- サーラを助けた狼男子の正体とは
以上の気になる点を、あらすじや登場人物の紹介も踏まえて見ていきましょう。
※ネタバレが含まれますので、ご注意ください。
悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されていますのあらすじ
引用元:悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています
王子と婚約していたサーラですが、王子は庶民のナコリムに惹かれ、サーラとの婚約を破棄することから物語は始まります。
王子とサーラは10年来の友人で、婚約は親が取り決めたことであり二人の間に愛情はありませんでした。
そのため、サーラは王子とナコリムの仲を応援しており、庶民であるナコリムへ王太子妃としての作法などを教えてあげていたのですが、そんな事実を知らない貴族たちは、「王子に捨てられた惨めな女」と、サーラをあざ笑うのです。
そんなある日、王子のお茶に毒が盛られるという事件が起こります。
王子は一命を取り留めたものの、婚約破棄された恨みによる犯行だとして、サーラは囚われてしまうのでした。
誰の仕業なのか、サーラには見当がついていましたが、それを証明するものがなく、サーラはこのまま死刑になることを受け入れます。
悔しそうな表情を浮かべるサーラでしたが、そこへ宮廷魔術師であるシルクゥが現れ、サーラを牢から連れ出し、共に過ごすことでふたりの距離は徐々に近づいていくのでした。
- サーラは王子に婚約破棄されるも、2人の間には友情しかなかったため恨んでいなかった
- 王子が何者かに毒を盛られ、サーラはその罪を被せられる
- サーラは面識のない魔術師・シルクゥに助けられ保護される
- シクルゥはサーラと距離を縮めつつ、真犯人を突き止める
こういった流れで進んでいく今作は、真犯人とは一体誰なのか、どうしてシルクゥはサーラを助けたのか、純愛も楽しみつつミステリーも味わえるストーリーとなっています。
悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されていますの登場人物
ここからは『悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています』のメインとなる登場人をご紹介します。
サーラ・アカルディのプロフィール
引用元:悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています
- 貴族のご令嬢
- 王子の元婚約者
- 王子とナコリムのことは応援している
- 王子暗殺の罪に問われている
貴族のご令嬢で、王子とは長年の友人関係だったのですが、親同士が勝手に婚約を決めてしまいます。
友人関係が長かったため2人の間には男女の愛情は生まれず、王子がナコリムを好きになってからは、庶民出のナコリムが王妃務められるよう教育係をするなど2人の仲を応援していました。
シクルゥのプロフィール
引用元:悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています
- 狼の亜人
- 宮廷魔道師
- 尻尾が性感帯
狼の亜人ということを隠しながら、魔術師としてお城に勤めていました。
王子と婚約したナコリムの兄ですが、王子への暗殺未遂で捕まったサーラを助け出します。
セルジオ・アカルディのプロフィール
引用元:悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています
- サーラの異母弟
- 騎士
- 女好き
サーラの父親とメイドとの間に出来た子どもで、サーラとは異母姉弟です。
若くして騎士としてお城で勤めていますが、生粋の女好きで可愛い子を見つけるとすぐに声を掛けに行ってしまいます。
基本的には軽い性格なのですが、たまに危うい発言をすることがあり、サーラはお城を出るときに弟を残して出ていくことを心配していました。
ナコリムのプロフィール
引用元:悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています
- 狼の亜人
- シクルゥの妹
- 庶民でありながら王子に見初められる
庶民で狼の亜人でありながら、王子に見初められ婚約者になります。
明るく天然な性格ですが、王子が暗殺未遂にあった際には、サーラが無実だとわかっていて、シクルゥが逃がすことに協力するなど、冷静なところもあるようです。
悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されていますのネタバレ感想
ここからは悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されていますの真に迫った内容をネタバレありで解説します。
王子に毒を盛った真犯人は誰なのか
引用元:悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています
牢へ囚われた時から、サーラは弟のセルジオが犯人だと気付いていました。
本当にセルジオが犯人なのか、だとしたその動機とは、セルジオの過去の話と共に深堀していきましょう。
真犯人はサーラの腹違いの弟・セルジオ
サーラが王子から婚約破棄を言い渡され城から出ていく際に、「王子が心変わりしただけなのに、みんな姉さんを悪く言うなんて酷い、王子なんかいなくなればいい」という発言をしています。
サーラがシルクゥと共に逃げた後、調査によりセルジオの使用人からも証言が取れたと、シルクゥは王子へ説明していました。
セルジオの猟奇的な一面
可愛い女の子には手当たり次第に声をかける女たらしのセルジオですが、実は暗い一面を持っていることがサーラから語られています。
それはまだ2人が幼かった頃、サーラはサーヤという仔犬を飼っており、人懐っこくて可愛いサーヤに夢中で毎日一緒に遊んでいたのですが、「サーラが犬ばかり可愛がるから」という理由でセルジオはサーヤの首を切り裂いて殺してしまったのです。
サーラはセルジオが衝動的に酷いことをしてしまうことを分かっていて、今回の事件も弟がやったことではないかと、最初から疑っていました。
犯行の動機
明確な理由は提言されていませんが、セルジオの発言から姉への歪んだ愛情が犯行の動機となっているようです。
サーラはセルジオがナコリムへ想いを寄せているからではないかと推測していましたが、最後のシーンからは姉への想いの方が強いと感じました。
そんなにサーラを想うなら、なぜサーラが死刑になってしまうようなことをするのかと疑問が浮かびますが、「自分のことだけを考えて欲しい」という発言から、サーラが自分を憎みながら死ぬのなら、それも本望だったのではないでしょうか。
死ぬ間際に「誰も愛してくれない」と言っており、セルジオはアカルディ家の使用人の子どもということで、幼い頃から愛されるということに執着していたようです。
王子暗殺事件の結末
事件後、ずっと身を隠していたセルジオですが、サーラの居場所を突き止めるため、お城に姿を現しました。
そこでシルクゥに剣を突き立てるものの、シルクゥに気を取られている間に背後からナコリムに刺されてしまいます。
ナコリムからの突然の攻撃に驚いてしゃがみ込んだところを、ナコリムの鋭い爪で喉を引き裂かれてしまうのでした。
サーラを助けた狼男子の正体
引用元:悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています
すぐにセルジオの犯行は突き止められましたが、サーラが逃げ出さなければそのまま処罰されていました。
そんなサーラを助け出し、事件の真相を明らかにしたシルクゥの正体とは、サーラが幼い頃に飼っていたサーヤだったのです。
セルジオに喉を引き裂かれたサーヤを治療してもらおうと、サーラは魔術師の元へ連れていくもサーラの必死な願いは届かず、サーヤは亡くなったと聞かされますが、実はサーヤは生きていたのでした。
サーラはサーヤを仔犬だと思っていましたが、サーヤが狼人だということに気づいた魔術師は「亜人への偏見が強いこの世界では、このまま一緒にいることは危険」として、嘘をつき、サーラとサーヤを引き離してその直後、サーラは王子と婚約し、サーヤは魔術師の計らいでお城に勤めることになり、サーヤは本名のシルクゥを名乗ってサーラをずっと見守っていたのです。
セルジオが事件を起こさなければ、このまま正体をばらすことはなかったというシルクゥに、サーラはずっと側にいるよう伝えるのでした。
悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されていますのまとめ
『悪役令嬢ですが狼男子に溺愛されています』は一巻完結となっています。
純粋な狼男子の愛と、ドロドロの愛憎劇が交じり合う今作は、
- 婚約破棄されたサーラへ王子暗殺の罪が被せられる
- 謎の狼人・シルクゥに助けられる
- シクルゥの正体は、サーラが幼い頃に飼っていたサーヤだった
- 王子暗殺の真犯人は、サーラに歪んだ愛情を持つセルジオだった
以上のポイントを中心に、TL漫画らしい「キュンとする要素」と、鬼気迫る「ゾクゾクさせる要素」が楽しめる一冊でした。
登場人物のギャップのある表情も今作の魅力の一つなので、是非手に取って見てください。